以前お伝えした「釣り場」のすぐ隣にあるポイントが、ここ「カナン崎」です。釣り場から船で2分かからりません。目と鼻の先にあるポイントなのです。
1ダイブで2つのポイントを潜るのはエリアが広すぎるので、体験ダイビングでは別々に潜ることになるでしょう。ここではまず「ドーム状のたて穴」を見てほしいですね。上から下に潜り、最後にもう1度下から上に上がっていくと、冒険気分が楽しめますよ。
穴の中にはアカマツカサやハタンポが群れていますので、魚をかき分けるようにしてダイビングをしてくださいね。(写真&文:ICHI)

不思議な模様のキカモヨウウミウシ

さきほど通ってきたドームの下には出口があり、出入りが簡単にできます。このドーム自体には穴が5か所空いていて、外洋とつながっています。穴から見る外洋は青くて幻想的なのでぜひ見てほしい景色です。
下の出口付近はガレ場があったり砂地があったりで、生き物もたくさんいますので探してみてくださいね。砂溜まりにいたのが「キカモヨウウミウシ」です。不思議な模様をしていますね。

砂溜まりにいたキカモヨウウミウシ
伊江島にはウミウシが好みそうな場所が多く見られるので、ぜひ探しに来てくださいね。

葉っぱのように動くハダカハオコゼ

カナン崎も伊江島の「釣り場」「ウツガマ」と同じく、島の北東部の沖にあるポイントです。私としては、せっかくここで潜るならば島の東側から北東部にかけてのダイナミックな地形やドロップオフのポイントで潜ってほしいですね。
豪快な海とそこに暮らす生物たちを見て回るダイビングがおすすめです。ガレ場には薄っぺらい魚の「ハダカハオコゼ」が登場です。波に揺られる葉っぱのように動きます。しかしオコゼですので肉食ですし毒も持っていますので注意が必要です。

透明感のある色をしたハダカハオコゼ
この魚も白だけでなく、黄色や黒、深緑にショッキングピンクの体色を持つものもいます。ピンクを初めて見たときはビックリしたなあ。

婚活パーティ中のキイロウミウシ

何だかすごいシーンに出くわしましたよ。「キイロウミウシ」が固まっています。繁殖の為に集まってパートナーを探しているのでしょう。人間でいう「婚活パーティー」のようなものですね。
しかしこれぐらい集まっていると迫力ありますよ。ウミウシって不思議な生態があり、時に数十匹のウミウシが「貨物列車の歌」のように数珠つなぎになっていたこともありましたよ。伊江島では同じように「シンデレラウミウシの婚活パーティー」も見たことがあります。

集団のキロウミウシ
どの世界もパートナー探しは大変そうですね。

浅瀬にいたニグラ

減圧が出ないように、先ほどのドームを今度は上がっていきましょう。上の穴に向かって飛んでいくイメージです。太陽の位置にもよりますが、光のオーロラやカーテンが見られることもあり、その中を泳いでいくのは何とも気持ちがいいものですよ。
重力を感じない浮遊感をたっぷり味わってくださいね。浅瀬で安全停止を兼ねてまた生物探しをしましょう。

真っ黒な生物のニグラ
これは「ニグラ」と言って貝の仲間です。岩に張り付いていました。これまた不思議な模様ですね。

子育て中のチアガール(キンチャクガニ)

テレビ番組でも紹介されたことがある「キンチャクガニ」です。身を守るためにハサミでイソギンチャクを持ち、敵が来たらそれを押し当てます。
その姿がチアガールがポンポンを振り回す姿に見えることから「海のチアガール」とも呼ばれています。よく見たら、お腹にオレンジ色の何かが見えますね、これは卵です。今抱卵して子育て真っ最中なのです。
さて、安全停止も終わりました。ゆっくりとボートにエキジットしましょうね。

大事に卵を抱えるキンチャクガニ
頑張れよって声をかけたくなりましたよ。
沖縄本島ダイビングポイントギャラリー