体験ダイビングでもよく使われる水納島からのお届けです。今回はダイビングポイント「ワサワサ」。かつては「1本サンゴ」と呼ばれる砂地にポツンとテーブルサンゴという有名スポットがあったのですが、残念ながらなくなってしまいました。
しかしその名の通り、いろんな生き物がワサワサ出てきます。白い砂地をゆっくり潜りながら、いろんな生き物を探してみましょう。
ボートの下では「ミナミホタテウミヘビ」が顔だけ出してお出迎えです。いつも上を向いて口をパクパクさせてますよ。「ようこそ」と言ってるのかな?(写真&文:ICHI)

落ちているみたいなウミテング

何もいないように見える白い砂地の上も、よく見てみるといろんな生き物がいますよ。「いる」というより「落ちてる」といった感じかな。砂地にゴミみたいにポツンといたのが「ウミテング」の幼魚です。
体調は1センチほどの小さな魚です。動きは成魚と変わらず、砂地をゆっくり歩く感じでしたね。まだ体が透けていてきれいだねえ。

砂の上にいるウミテング
ぱっと見ならどう見てみゴミにしか見えないね。だから敵に襲われにくいのかな?

瑠璃の星

砂地には点々と小さな根があります。根にはいろんな生き物が住んでいますよ。小休止してじっくりと観察してみましょう。これは「ルリホシスズメダイの幼魚」ですね。体の模様がまさに瑠璃星です。
スズメダイはちょこまか動き回るのでダイビング中に写真は撮りにくいですが、よく見ると一瞬止まるときがありますよ。そのときがシャッターチャンスです。スズメダイはたくさんの種類がいて、スズメダイを愛してやまないファンクラブがあるほどです。

星が散りばめられたような模様
幼魚のあどけない表情もかわいいですよね。

オコゼの三角関係

さて、また砂地をのんびり潜りましょう。あれ?何か石が固まっていますね。いや、石ではありません。背びれに強い毒を持つ「オニダルマオコゼ」です。しかも3匹!普段は砂に潜り隠れていることが多いのですが、見えるところにいてよかったですね。
知らずに砂地に手をついて、刺されたら大変なことになってました。しかしなぜ3匹固まっていたのかな?どうやらメスをめぐって2匹のオスがアピールをしていたようです。さてメスのオコゼはどちらかを選んだのでしょうね。

メスを取り合うオスのオコゼ
オコゼでもメスはやっぱりイケメンを選ぶのでしょうか。

ショウグンエビ

次の根に到着!ゆっくり生き物探しをしてダイビングしてみましょう。ちょっと変わったエビが住んでいましたよ。「ショウグンエビ」と言います。
でもなぜ将軍なんだろう?歴史好きの私としては気になるんですよねえ。どちらのご将軍ですか?エビに聞いてももちろん答えてくれませんよね。レアなエビなので、出会ったときにはじっくりとお顔を拝ませてもらってくださいね。

カッコいいエビ
めったにお目にかかれませんが、砂地と接する横穴にいること多いので体験ダイビングでもチャンスはあるかもしれません。

のんびりしてない!ウミウシ達

6月ごろにワサワサの砂地でダイビングすると、こうした光景がよく見られますよ。木の上でのんびりしているのは「ミズタマウミウシ」と「コソデウミウシ」です。
木みたいに見えるのは「コケムシ」といいウミウシの餌になります。だからのんびりしているように見えても、これは餌の奪い合いをしているのですねえ。
海の中の生存競争は大変だなあ。沖縄の梅雨の終盤から初夏にかけて、コケムシにウミウシがよく乗っかっています。
さて、楽しめましたね。ゆっくりボート下に戻りましょう。

餌を取り合うウミウシ
白いピカチューもよく出てきますので体験ダイビングでも探してみてくださいね。