今回は金武町のレッドビーチでダイビングしてみましょう。正直透明度は期待しないでくださいね。ここは沖縄本島内でも泥地中心のちょっと変わった環境なんです。サンゴ礁の海では見られない魚やシーンが見られますよ。流れもなく穏やかで浅い海なので、カメラ片手にネイチャーフォトにチャレンジしてみましょう。
写真は「イッポンテグリ」といい、ここ以外ではあまり見られないレアな魚なんです。背びれがピーンと伸びているときはかっこいいですよ。正面から見ると、口の中がオレンジ色なのもちょっとビックリ!そんなシーンを写してみてくださいね。(写真&文:ICHI)

痛そうな場所に!

このポイントには「ガンガゼ」というウニがあちこちに転がっています。カメラに夢中になるとガンガゼに気が付かず、うっかり刺されちゃうので気を付けてくださいね。でもそのウニの棘をよーく観察すると、この「ガンガゼエビ」が引っ付いていることがあります。棘にうまく擬態しているし、何よりここは襲われにくいですよね。住処にするには最高な場所かもしれませんね。そんなシーンを写してみてください。

刺されると危険なガンガゼにくっついているエビ
ピントがエビに合わず棘に合うことが多いので、撮るのはちょっと時間がかかりますけど頑張ってチャレンジしてみてくださいね。

こう見えて・・

海の宝石と呼ばれる「ウミウシ」の紹介です。これは「キイボキヌハダウミウシ」と言います。オレンジ色の模様がきれいなウミウシですよね。優雅にも見えるこのウミウシですが、実は仲間である「ウミウシを食べるウミウシ」なんです。
しかも食欲旺盛で、ダイビング中にウミウシを食べているシーンもけっこう見ることができますよ。その様子はけっこうグロテスクなので、今回はウミウシだけの写真で!

共食いをするウミウシ
「捕食」は残酷でもありますが自然の厳しさを感じる瞬間でもあるので、そんな貴重なシーンを撮るのも面白いですよ。

動かないハゼ!

砂地に貝殻が落ちていて、その上にハゼがいます。でもダイバーが近づいてもハゼは全く逃げないのです。ずいぶんと人慣れしたハゼがいるもんですね?
いえいえそうではありません。貝殻の上をよく見てほしいのです。何か見えませんか?粒々したものが!お分かりになりましたか?実は卵を守っているのです。敵が近づいてきても、卵を見捨てることなく体を張って守っているシーンなんですよ。

命がけで卵を守るハゼ
こうした「抱卵」も貴重なネイチャーシーンです。魚が逃げないので写真も撮りやすいことが多いです。脅かさないようにしてあげてね。

レッドビーチで見つかった生物です!

この生物は、当時レッドビーチで見つかった新種でした。実はレッドビーチには、まだ和名が付いていない生物が発見されてことも結構多く、大学の生物学の先生も注目しているポイントなのです。
この生物は「ムチカラマツカニダマシ」と言います。レッドビーチには数か所いて、だいたい写真のようにファミリーで暮らしていますよ。レアな生物ですのでぜひ撮ってほしいですね。

新種の生物
なかなか見ることができない珍しい生物に出会って撮影できたら何だか得をした気分になりますよ。探してみましょう。

レアキャラのカエルアンコウ

こちらの毛むくじゃらの生物は「カエルアンコウ」です。たまーにひょっこり登場しますよ。海外にまで見に行かれるダイバーも多いのですが、実は沖縄にもいるんです。でもたまーにしか出てきません。

毛だらけのカエルアンコウ
「見られますように!」と心の中で祈りながら探してみてくださいね。

口の中から何か見えますよ!

魚によっては、このイシモチの仲間のように「親の口の中で卵を守っている」種類があります。これを「口内保育」と呼んでいます。よーく見てみると、口の中の卵に目があるのがわかるでしょう。
卵の中の魚が順調に成長していてもうすぐ産まれる(ハッチアウトと言います)のだなということがわかりますね。口内保育は、このもうすぐ産まれるというころが1番撮りやすいのです。ぜひ狙って写してみてくださいね。

口の中に卵を入れている魚
さて、今回もいろいろなネイチャーシーンを見ることができました。濁りが強い海です。ガイドを見失わないようにして、エキジットポイントに戻りましょう。
沖縄本島ダイビングポイントギャラリー