透明度の高い海が魅力の沖縄の島々の中でも、サンゴが隆起してできた宮古島は、他の島々と違って赤土の影響をほとんど受けないので、海の青さが格別です。サンゴでできた島は波や流れの侵食を受けやすいことから、宮古島や下地島周辺のダイビング・ポイントは、トンネルやアーチが多く、地形ダイビングのメッカと、ダイバーの間で認められています。
しかし、トンネルは真横に繋がっているのではなく、アップ&ダウンが多かったり、時には完全な縦穴となっていたりと、深度変化が大きいのが特徴です。30mを超える深いポイントもあるので、地形ポイントに潜るには、ダイビング経験とスキルアップが必要不可欠です。
ここでは、宮古島周辺の地形ポイントの中でも、スキルアップしてから挑んでいきたい、人気のダイビング・ポイントを5つ選んで紹介していきます。(写真&文:tetsu)
通り池
この後で紹介する「アントニオ・ガウディ」、「魔王の宮殿」と合わせて、宮古島の3大地形ポイントと呼ばれている「通り池」は、ダイビングをしない観光客にも有名な観光スポットでもあります。
通り池は巨大なトンネルで外海と繋がっているので、池の真水と海水が混ざり合い、青と緑のコンストラストが美しく、雑誌やネットにアップされている写真を見ると、実際に自分の目で見てみたいと、初心者ダイバーからもリクエストが多数入ります。
しかし、池と海を繋ぐトンネル部分は、最も浅いところで20mほどですが、トンネルの下まで落ちると、45mの水深となってしまいますので、沈んでしまわないように中性浮力がしっかりとれなければいけません。
また、通り池でのダイビングは、トンネルを通過した後に水面に浮上するのが、一般的な潜り方なので、浮上速度が早くならないような管理も重要です。
アントニオ・ガウディ
「アントニオ・ガウディ」は、湾内にあるので流れがなく、波が立ちにくいのですが、最大水深35mと3大地形ポイントの中でも、最も深いポイントになります。
水深35mの部屋のような空間から頭上を見上げると、いくつもの青い穴が開いているのを見るところが最大の見所です。
そのため、アントニオ・ガウディに潜るときには、ディープダイビングの経験は必須です。
魔王の宮殿
宮古島の3大地形ポイントの中では、最も敷居が低いと言ってよいのが、「魔王の宮殿」です。宮殿と名前がついているように、入口や玉座や寝室などの名前がついた空間に、光が差し込む光景は息を飲むほどです。
敷居が低いといっても最大水深は25mほどあることと、時には流れが発生するポイントなので、ある程度のスキルは必要不可欠です。
35ホール
ここまで紹介してきた地形ポイントは、差し込んでくる光の美しさや暗がりから見る青い海を堪能するポイントですが、35ホールの穴の中は基本的に「真っ暗」です。
35ホールに潜るときには、暗い洞窟の中でも落ち着いて潜れるようになっていなければいけません。また、水深35mまで一気に落ちるように潜降していくので、エアの管理とともにスムーズな圧平衡(耳抜き)が必要です。
パナタ
ここまで紹介してきた4つのポイントはいわゆる地形ポイントになりますが、「パナタ」はギンガメアジの群れやロウニンアジやイソマグロといった「大物」を狙うポイントになります。
最大水深は25mほどとそこそこ深いこともありますが、パナタは流れが強いことも合わせてスキルアップしてから潜っていきたいポイントになります。
この流れのおかげで、宮古島周辺のダイビング・ポイントの中でも最も濃い魚影となり、大物も登場するのです。